アスキーアートとエディタ

「道具より腕」―これはAAを作ることにおいても基本的に変わりませんが、やはり些細な部分に囚われて苦労してしまうより、快適な環境で作りたいのが人というもの。

2ちゃんねるに顔文字板が設置されてまもなく、2chのAAの作り方をまとめたスレッドが建ち、後のAA作成に大きく貢献することになります。そして、程なくAAを保存したり編集したりするツールが現れました。たしか最初に「ギコペ」*1(2000/6〜8)というツールが登場したと思います。また、「Ascii Art Editor」*2(2000/7〜2002/8)というエディタも登場しました。それ以降はこの2つのツールが、AA描きの間では標準となりました*3

そのころのエディタは、半角スペースのチェック*4・文字テンプレート機能がメインの素朴なものでしたが、AA職人達の要望に応えるかたちでエディタもどんどん進歩してきました。特にエポックメイキングな機能としては、マルチラインテンプレート*5、ピクチャートレース機能*6、オートトレース機能などが挙げられます。特にオートトレースは「アスキーアートは手作りか機械作りか」の記事で説明したとおり、当時はかなり物議をかもしました。

その後、行間表示問題*7をクリアした「(´д`)Edit」*8(2002/4〜)が登場することによって、AAエディタのシェアが大きく変化しました。新たにAAを作り始めた人の多くはほぼこのツールを使っていると思われます。今では複数のファイル・コマが扱えたり、編集機能も強化され、インターフェースの充実が著しいです。そのため、機能がたくさんありすぎて全てを使いこなすことは難しくなっていますが、AA描き達のノウハウが詰まったこのツールは、もうひとつの「AA技術の集大成」と言えるでしょう。

参考サイト:
顔文字板年表
アスキーアート支援ソフト「ギコペ」
Ascii Art Editor - Support Page -
(´д`)Editさいたま営業所

*1:ギコペ氏が開発したAAコピー&ペーストツール。その名の通り、AAを保管・貼付することに主眼が置かれている。

*2:geroimo氏の開発した初の本格的AAエディタ。

*3:かくいう私も、最初に使ったエディタがギコペで、今でもギコペ形式のファイルで作成したAAを保管しています。

*4:2ちゃんねるでは、半角スペースを2つ以上連続して入力すると、表示に反映されない。

*5:複数行のAAを一括してペーストできる機能。

*6:画像を表示して、直接なぞるように文字を入力出来る機能。

*7:AAツールの編集画面の行間と、2ちゃんねる掲示板の行間に差異があった問題。このため、編集画面のイメージで作ってしまうと、投稿したAAが縦長になってしまった。

*8:(;´Д`)ノ氏の開発した後発のAAエディタ。