ＡＡと印刷

最近書籍化・映画化にもなっている２ちゃんねる発の小説『電車男』において、今更ながら注目されているのがアスキーアート。それ以前にもAAキャラクターがネット系情報誌やマスメディアに登場することはちらほらとありましたが、あくまで一部の範囲内での露出にとどまっており、今回の『電車男』は、ある意味一般大衆向けに登場した最初の作品と位置づけられるかもしれません。

それはさておき、『電車男』以前から雑誌や書籍でAAは印刷されてきたわけですが、意外と正確に印刷されているものは少なかったりします。最大の問題は、Webブラウザ(Internet Explorer)のディスプレイ表示画面と、印刷したものに差異があると言うことです。AAは文字で作られているから印刷も容易いと思われがちですが、これが非常に難しい。
上記の小説版『電車男』を印刷したのは大手の凸版印刷さんですが、アスキーアートの再現にかなり苦労*1したようです。（→電車男の舞台裏）

私も３年ほど前、（；´Д｀）ノさん(AAエディタ「(´д｀）edit」の作者)に、エディタへ印刷機能を付けてみて〜と試作してもらったことがありましたが、そもそもAAの標準フォントであるMSPゴシック自体がTrue Type Fontのくせに紙面上への再現性が酷く、結局画像変換して使うしか忠実に再現出来ないと、ほぼ結論が出たことがあります。

印刷に関して、現在のAA環境は非常にローカルで、しかも他メディアへの互換性が困難な、危ういポジションにあるのだなあと考えさせられる一件でした。

＊印刷と表示画面のギャップは大きい
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*1:私もちょっと立ち見をしてきたのですが、苦労したという割にはズレズレでした。